むだい

研究発表が、まぁとにかく終わり、それほど余裕があるわけでもないとはいえ、ホクホクと本を読む。

現在の現象学研究者は奇妙に思うかもしれないが、『意味の論理学』においてドゥルーズは、フッサールの『デカルト省察』第5省察の超越論的主観性の複数性の問題を執拗に検討している。(ちなみにドゥルーズの関心は、世界の一性(存在の一義性)がいかにして様相の複数性によって構成されうるのかということにある。)この著作は、この問題をコンテクストとして、後期フッサールの「原自我」の問題系を浮かび上がらせようと試みる。