無題

・Roman Jakobson, A Few Remarks on Peirce Pathfinder in the Science of Language,MLN,vol.92,no.5,Compartive Literature,The John Hopkins University Press,1977.言語学者ローマン・ヤコブソンによるパースの紹介。クラインの「エルランゲン・プログラ…

ジルベルト・シモンドンは哲学者である。 たとえその議論の多くが化学や熱力学に依拠しているとしても、彼の目的がいつも、実在性を描き出すことだけに向けられているからだ。シモンドンにとっての問題は、個体が今ここにおいて存在していること、すなわち、…

ネガとしての『AO』と、ポジとしての『MP』を語るために。

小泉義之、「意味の地質学、人類の腫瘍学―『悲しき熱帯』を読む―」、『思想』第一〇一六号所収、2008年、岩波書店。レヴィ=ストロースは『悲しき熱帯』において、戦後の社会に通底する基本構造としての「理念的な目録」(大地の主−意味)から現実的な習俗へ…

「男/女という二つの性しかないことが特異な形で、〈n個の性〉が一般的だと、マーグリス/セーガンはいう。」(真木悠介、『自我の起源 愛とエゴイズムの動物社会学、岩波書店、2008年。) だからといって、人間における性の区別が言語的に構築されているわ…

視覚によって私はさまざまな度合の光や色の観念を持つ。触覚によって私はたとえば固さや柔らかさ、熱さや冷たさ、動きや抵抗を知覚する。それらは互いに連れ立って観察されるため、例えば「リンゴ」という一つの名で呼ばれる。とはいえそれは、これらもろも…

雑文

檜垣立哉氏の「生殖と他者―レヴィナスを巡って―」(『実存思想論集XXII』所収2007年)を読みつつ。 無底の〈イリア〉から成立した自己に対して、他者は二つの様態で現れる。一方は、「汝殺すなかれ」という命法によって、自己の自己触発的な充足状態を解体す…

ルイ・イェルムスレウ、「構造的言語学」(1948) Louis Hjelmslev, "Linguistique structurale"(1948) 「構造的言語学(linguistique structural)ということによって理解されるのは、ある仮説に基づく探究の総体である。すなわち、その仮説によると、言語…

A.J.グレマス、「ソシュール主義の現在性」(1956年) "L'actualité du Saussurisme"(Texte paru dans Le français moderne,1956,n°24, pp.191-203.) 「しかしながら、もろもろの言語学―構造的と歴史的―の調停が可能なのは、まさにそれが自ら生み出す言語学…

ミシェル・フーコー、「汚辱に塗れた人々の生」、『フーコー・コレクション6生政治・統治』所収、小林康夫ほか訳、ちくま学芸文庫、2006年。 権力はいかにして日常に入り込むのか。 キリスト教的西欧は「告解」によって、「日々の世界の細片、平凡な過ち、知…

A.J.グレマス『構造意味論―方法の探求』田島宏ほか訳,紀伊國屋書店,1988.

科学的意味論の諸条件 1.意味論の状況 言語学は厳密に形式化された学問であり、1950年代のフランスにおいて特権的な地位が与えられた。しかしその結果、 言語学の「陳腐化」。言語学の用語や方法の歪曲が起こる。 メルロ=ポンティ、レヴィ=ストロースetc…

無題

昼、近所にてスーツケースを購入。 昼下がり、友人から借りていた「エヴァンゲリオン劇場版(1997!?)」を観る。 これはコメント難しいなぁ。面白いし、考えさせられることはたくさんあるんだけれど…テレビ版を観たときの衝撃はもはやなかった。単にオトナに…

言葉と在るものの声作者: 前田英樹出版社/メーカー: 青土社発売日: 2007/04メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (8件) を見るまだ読み始めたところのなので、印象だけ。 冒頭はベルクソンの『物質と記憶』の記述の変奏というかカバーという…

無題

思いのほか発表原稿の制作に手間取り、長く停滞してました。とくになにも進んでおりません。 現時点でこれだけしかかけないのは、実力がこれだけしかない証。切り替えていきます。で、この先の予定めも。 ■Hume研究。観念と印象の分節化がもたらす意義につい…

かつてフーコーは、19世紀の権力が、当代に著しい発展を遂げた生物学(細胞生物学)をはじめとした、あらゆる科学を利用することによって、知の編成、近代的主体の成立、すなわち、被監視者としての主体の生産を行っていたことを分析した。 フーコーが規律訓…

「スピノザと私たち」、『スピノザ―実践の哲学』所収、鈴木雅大訳、2002年、平凡社。■スピノザにおける内在平面スピノザの第三、第四、第五の原理 =「すべての身体や物体にとってただひとつの自然、無限に多様に変化しつつ自身もひとつの個体であるような自…

フッサール『厳密な学としての哲学』

厳密な学としての哲学とは? 「そもそものはじまりから哲学は、厳密な学、それも最高の理論的欲求を満足させ、かつ倫理的−宗教的な方面に関しては、純粋な理性的規範によって規制された生活を可能にする学であることを要求してきた。」 「しかし哲学は、その…

回復

日ごろの不摂生がたたり、先々週より大病(←ウソ、若干重症)にかかり、先週の修論構想発表をキャンセルしてしまいました。どーすんだろ。 まだ、咳などの軽度の症状が残っているとはいえ、大体において回復した模様。熱が平熱に戻ったため、非常に楽です。本…

結局、『差異と反復』の主題は二つあって、ひとつは認識論。これは二つの観点から議論されていて、第一に、伝統的な哲学の系譜において、いかに概念の同一性や、述語の対立といった表象の形式が暗黙的に思考を制約していたのかを批判すること。第二に、この…

あと4日。修論が終わるまで酒を断つと決心した矢先、大瓶一本空けてしまった。 そもそも『差異と反復』の主題とはなんだったのか。 ■Gilles, Deleuze. « La méthode de dramatisation »,David,Lapoujade.( ed.) L’île déserte et autres textes ;Textes et …

寝てもた。気がつくと1時。 もう少し読みます。Chp2あと2ページ。 と、昨日、冨田恭彦氏の『観念説の謎解き』を借りてきました。 実は、けっこう好きなんです。博士行ったら、経験論本気で取り組みます。全部ひっくり返してやる。 「西洋近代観念説の評価は…

あと5日6時起床。小一時間ほど読んで風呂はいるか。 ■Gilles, Deleuze.Différence et répétition. Paris : PUF, 1968. Chp3, L'ensemble de système est complication-explication-implication.=l'objectivité d'un《problème》(161-162)あたりを少し。

あと7日。 ■ジャック・デリダ、「息を吹き入れられたことば」、『エクリチュールと差異』所収。 ドゥルーズの「アベセデール」を少しだけyoutubeで見る。 長く伸ばした爪。おもってたより声高。いつでも見れる状況にありながら、なぜいままで見なかったのだ…

8

あと8日じゃねーか。 昨晩は21時半ごろ帰宅。晩飯食べて、「松田優作特集」見て、風呂入って、就寝。 なにもしてません。だって12時間以上働いているのだもの。。 ■テレンス・ホークス,『構造主義と記号論』,池上嘉彦ほか訳,紀伊國屋書店, 2002年. 構造主義…

10

あと10日。週末はバイトなのでなにもできない、なんていってらんない。■T.A.シービオク,『動物の記号論』,池上嘉彦訳,勁草書房, 1989年. ■エドモン・オルディグ,『言語表現と象徴』,宇波彰訳,せりか書房,1990年. ■François Zourabichvili. Deleuze Une philo…

告知

告知 10月30日 大阪大学吹田キャンパス人間科学部ユメンヌホール(2F) 16時20分〜 「アルトーを巡る対談」(仮) 講演者:宇野邦一、江川隆男 『単なる生の哲学』の宇野邦一氏と、『死の哲学』の江川隆男氏。著書の表題だけ見れば、きわめて対照的な両者の…

脳と無意識―ニューロンと可塑性作者: フランソワアンセルメ,ピエールマジストレッティ,Francois Ansermet,Pierre Magistretti,長野敬,藤野邦夫出版社/メーカー: 青土社発売日: 2006/07/01メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る…

性犯罪の心理作者: 作田明出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/09/09メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 56回この商品を含むブログ (2件) を見る作田明氏と、作田啓一氏を勘違いして買ったというオチ。野家さんと野矢さんの取り違えも過去にあり。 入…

●ヘルマン・ラング、「二十年後の『言語と無意識』」、石田浩之訳、『Imago ラカン以後』所収、1994年、青土社。 精神分析家と患者とのやり取りは、言葉による対話によってなされる。むしろそこには対話しか介在しない。しかし、この言語の「介在」あるいは「…

脳と無意識―ニューロンと可塑性作者: フランソワアンセルメ,ピエールマジストレッティ,Francois Ansermet,Pierre Magistretti,長野敬,藤野邦夫出版社/メーカー: 青土社発売日: 2006/07/01メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (10件) を見る

精神分析家ジャック・ラカンは、「精神分析におけるパロールと言語活動の機能と領域()」の冒頭に、次のような銘句を掲げている。 特に、次のことを忘れてはならないだろう。すなわち、発生学、解剖学、生理学、心理学、社会学、臨床の分離など、自然の中に…

単なる覚書

ゼミにて。デリダ『エクリチュールと差異』「人文科学の言語表現における構造と記号とゲーム」(第10章)。①文化/自然の二項対立において、同時に両方の特徴をもつ近親相姦。 近親相姦が普遍的なのか、近親相姦の「禁忌」があらゆる文化において、明示的、…